2015年5月21日木曜日

汚職リスクのある会社の買収

Ligorner弁護士の講演(M&A取引における反汚職法のデューデリと解決法)で、デューデリ失敗事例としてTitan買収事案とRAEシステムのJV増資(中国)事案が挙げられ、成功事例としてGEとAlstomの事案が挙げられていた。

GE とAlstomの事案とはどのようなものだったのかと検索したところ、2014年12月の記事が見つかった。


フランスの会社であるAlstomの電力部門はグローバルに展開し利益を挙げており、GEが同社の電力部門を買収することになった。他方、Alstomの電力部門に関しては数年前から贈賄の噂があった。
2014年12月にAlstomは米国司法省に贈賄について有罪答弁をし、米国司法省史上最高額の罰金を払うことで合意をした。
GEがAlstomを買収しても、贈賄に関してGEが責任を承継しないことを司法省が明言し、GEは贈賄は買収にあたり織り込み済みでなんら問題はないと述べた。

となっている。

デューデリの過程で贈賄の事実を発見した場合、きちんと手当をし、会社のシステムを刷新し、贈賄による企業価値の毀損分を考慮して買収をすれば、過去に贈賄をした会社を買っても大丈夫、という例。


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