2013年1月31日木曜日

アメリカ合衆国との間の租税条約改正

平成25年1月25日、条約改正議定書が署名されたとの広報。

条約の名称
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のため日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約

改正内容
1 投資所得の配当、利子への源泉地国免除の対象の拡大
   配当:持株割合 50%超 → 50%以上
       保有期間 12ヶ月以上 → 6ヶ月以上
   利子:原則10%、金融機関の受け取り利子免除 → 原則免除
2 仲裁制度の導入
  条約に適合しない課税に関する相互協議に関し、2年以内に解決されない場合、納税者からの要請にもとづき、第三者で構成される仲裁委員会の決定で解決する。
3 両国の税務当局の協力関係の強化
   相手国の租税の徴収の共助の対象を滞納租税債権一般に拡大

改正条約議定書は、両国間で批准書を交換した日に発効し、
  源泉徴収租税に関しては、発効後3ヶ月後の日の属する月の初日以後に支払われる額、
  その他の租税については発効した年の翌年の1月1日以後に開始する課税年度
に適用。

  50%超を50%以上にした意味ってなんだろう?
  単独で過半数となるときはアメリカで配当に源泉徴収をしない、としていたのを、単独では過半数にならなくてもよい、つまり支配権がなくても配当に源泉をしない、となる。
  それほどのメリットがあるのだろうか?いずれも相手に支配権を渡したくないので50%ずつでしか合意できないが、それではアメリカで源泉徴収されるから嫌だといって投資をしぶっていた人の背中を押す?
  
  日本とアメリカの租税当局の見解が一致しない事項について仲裁に付する。
  委員は両国の当局は、委員の任命等の事項についての期間と手続きについて書面によって合意する、となっている。(25条)
  誰が、どこで、どのような手続きで仲裁をするのか、興味深い。

1 件のコメント: