大阪弁護士会のスタートアップ法務研修(講師森弁護士)で、スタートアップの資金調達はエクイティファイナンスで、デットファイナンスではない、そのため一般的に、スタートアップの会社が破綻しても債務はないので破産ではなく、清算となる、という説明を聞いて、少し前に読んだ空禅抹茶の起業に関する記事に書いてあった資金調達の方法の話が気になったので、セミナー後に読み直してみました。
記事には、空禅抹茶の創業者の塚田氏の話として、共同出資者と5対3で出資して会社を設立し(シリコンバレーでは一般的な方法とのことです)、共同出資者から2000万円を会社に貸し付けてもらって開発をすすめたと書いてありました。
エクイティファイナンスだけだと、起業者も50%以上の自己資金を準備しないといけなくなるので(会社の支配権を持つために)、借入(デットファイナンス)となりますよね。ただ、出資者も8分の3の株主で、貸付は自己責任で、起業者に会社の連帯保証しろとか言わないのでしょう。
森先生の解説では、スタートアップ会社10社のうち上場までいくのが1社、2つくらい誰かに買ってもらえたら、という確率だそうです。
空禅抹茶は株主2名(5対3)で2000万円の借入でスタートし、企業価値が5億円になったときに外部の投資家から1億円の出資を受けたとなっていました。企業価値5億円に対して1億円の出資なので、外部投資家の持分は6分の1。当初の2人(5対3)の持分は、合計で6分の5。塚田氏の持分は、5/6*5/8なので、48分の25。過半数を少しだけ超えています。よく計算されているなあ。(実際には、追加で数百万円を出資されたとあるのですが、6億に対して数百万なので、持分比率にはたいした影響はなさそうです)
空禅抹茶は、日本でも抹茶マシンを販売しているそうなので、買ってみようかと思ったのですが、よく考えたら、米国で抹茶マシンが必要だったのは、茶筅で抹茶を溶かすことを知らない米国人に抹茶を販売するためと書いてあるので、茶筅があればマシンいらないのでは。
なお、5対3は、50ドルと30ドルだったそうです。
50ドルが3億円超。そして、世界の人の幸福を少し増やしている。スタートアップって夢のある話ですね。
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