2013年9月18日水曜日

ハーグ条約案件(監護権の調査)

国境を越える子の連れ去り事案(ハーグ条約事案)について大阪弁護士会のハーグPTと大阪家庭裁判所との合同勉強会が続いている。
監護権を侵害する連れ去りが条約の対象となっているのだが、その関係で申立人の監護権が侵害されたことが要件の一つとなっている。

申立人の監護権の有無は、申立人が子に対して監護権を行使していたと主張する地の国際私法によって定まる準拠法によって定められる。

そのため、アメリカ人が申立人である場合、監護権を行使していた州の国際私法(法選択規則)で、監護権についてどの法を指定しているかをまず調べ、次に、法選択規則によって指定された法の内容を調べることになる。

ここまで議論が進んだとき、誰が州の法選択規則とそれによって指定される法の内容を調べるのか、という問題にいきあったった。
家庭裁判所側は、強行に、それは申立人(の代理人)の仕事だと主張する。
申立人は、自分の居住している地の法律だから知っているだろう、とも言われる。
本当だろうか?日本人で、外国籍の配偶者がいたとしても、日本の国際私法ルールを知っている人がどれだけいるだろう?

弁護士側は、ハーグ案件に関し、裁判所間に国際ネットワークが構築されており、裁判官同士のメールのやりとり等で法律に関する情報交換が可能となるシステムがあると聞いているのだが、この情報は裁判所に入っていないのか、使いたくないのか、情報が誤りなのか?

申立人が、地元の弁護士と日本の弁護士の両方を使っていれば、日米の弁護士間で法律、事実の情報交換をすることは容易なのだが、地元の弁護士が必ずついているという保証がない。
費用をかけることができるなら、地元の弁護士に相談すれば、正確な情報を早く入手することができるが、申立人に費用の支払いができないときにどうするか、という問題が発生してしまう。


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