海外のメーカーから売買契約書を渡されたから見てほしいとの依頼。
今までから海外との取引経験はあるとのこと。
いくつかの条項について、この内容で合意してよいのか、とディスカッションしていたら、3つのアルファベットの組み合わせがいくつか並んでいる条項を見て「インコタームズって書いてあるけど、これは何?」
海外の会社と取り引きはしていても、契約書の文言はあまり気にしていらっしゃらなかったのだろう。
インコタームズは国際商工会議所が定めた貿易条件の定義で、3つのアルファベットの組み合わせで売主と買主のいずれが、輸送の費用や危険を負担するかを示している。
FOB(Free on Borad)と書いてあれば、売主の責任は商品が船の舷側を越えるまでで、そこから先の輸送費や輸送中の危険の負担は買主が負う。
CIP (Carriage and Insurance Paid To)とあれば、売主が輸送費と輸送中の保険料を負担する。
米国のロースクールの国際取引の授業では、E または F で始まるインコタームズは、輸送の費用と危険は買主の負担、C または D で始まるインコタームズは売主の責任、と習った。
略語から元の単語を思い出し、どちらが何を負担するのかを考えるという作業をする前に直感的にどちらが輸送に責任を持つのかを把握することができる。ちょっと知っておくと便利。
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